坐骨神経痛で、今も後悔していること

整形外科の前で受診をためらう男性のイラスト。坐骨神経痛ですぐ病院に行かなかった後悔を表す様子

前回の記事で、わたしの坐骨神経痛がある日突然はじまったことを書いた。今回はその続きの話になる。

あれから時間が経って、腰椎ヘルニアという診断もついて、痛みとも長く付き合ってきた。そして今になって、どうしてもっと早く動かなかったのだろうと、強く後悔していることがある。

この記事は、坐骨神経痛について何かを教える記事ではない。同じお尻や足の痛みで「病院に行くべきか、もう少し様子を見るべきか」と迷っている人に、わたしが実際にやってしまった後悔を、正直に打ち明ける記事だ。

この記事で書くこと(わたしが後悔している2つのこと)

坐骨神経痛になったのに、すぐ整形外科に行かず2か月も様子見してしまったこと。そして、自己流のストレッチで、かえって痛みを悪化させてしまったこと。この2つを、当時の気持ちのまま書き残しておく。

先に言っておくと、わたしの後悔はどちらも「もっと早く、専門家に頼っていれば」というところに行き着く。自分の判断で様子を見て、自分の判断でストレッチをして、その両方が裏目に出た。だからこそ、同じ道をたどりそうな人に読んでほしいと思っている。

なぜわたしは、すぐ病院に行かなかったのか

正直に言うと、症状が軽かったからだ。

これはある意味で皮肉な話だと思う。わたしの坐骨神経痛(腰椎ヘルニア)は、はじまりの頃はとても症状が軽かった。だからこそ、放置してしまったのだ。

発症したのは去年の11月。そのころのわたしは、坐骨神経痛どころかヘルニアなんて言葉すら、夢にも思っていなかった。腰にはまったく痛みがなかったし、この時期はお尻の奥の痛みもなかった。あるのは、ハムストリングがピーンと張るような感覚だけ。日常の生活にそれほど支障があるわけでもなかった。

当時のわたしはジムに通っていた。困ったのは、ジムで前屈ができないことと、スクワットやデッドリフトができないことくらい。それ以外はふつうに歩けたし、仕事もできた。だから「放置しておけば、きっとそのうちよくなるだろう」と、本気でそう思っていた。

今から振り返ると、この「日常生活に支障がない」というのが、かえって落とし穴だった。歩けるし座れるし、仕事も普通にできる。痛いのはジムで負荷をかけたときと、あとはハムストリングの張りくらい。これくらいなら病院に行くのは大げさだ——そう思わせるだけの「軽さ」が、逆に受診の決断を鈍らせてしまったのだ。

「これくらいの張りなら、ストレッチでもしていれば治るだろう。わざわざ病院に行くほどじゃない」——あの頃のわたしは、心のなかで何度もそうつぶやいていた。今思えば、この「まだ軽いから大丈夫」という油断が、いちばん危なかった。

「様子見」の期間が、長すぎた

結局、わたしがこの「様子見」を続けた期間は、あまりにも長かった。

はじめて整形外科の診断を受けたのは、年が明けてから、1月の中旬のことだった。11月に発症してから、実に2か月間も様子を見ていたことになる。

なぜそこまで引き延ばしてしまったのか。理由のひとつは、さっき書いた「症状が軽かったから」。そしてもうひとつ、白状すると、「病院に行くとお金がかかるから」という、せこい考えがあった。

坐骨神経痛なのに整形外科の受診をためらい様子見してしまう男性のイラスト

大した痛みでもないのに、わざわざお金を払って病院に行くのはもったいない。そんなケチな気持ちが、受診をずるずると先延ばしにさせた。そしてこの2か月の空白のあいだに、わたしの痛みは静かに、しかし着実に育っていったのだ。

最初はハムストリングの張りだけだったのが、やがてお尻の奥にも違和感が戻ってきて、椅子から立つのがつらくなっていく。「あれ、前より悪くなってないか?」と気づいた頃には、もう気軽に様子見できるレベルではなくなっていた。軽い症状は、待っていれば消えるどころか、待った分だけこじれることもある——それを身をもって知ったのが、この2か月だった。

結局わたしは、この後しばらく痛みに耐えることになる。もしタイムマシンがあるなら、11月のわたしの肩をつかんで「今すぐ整形外科に行け」と言ってやりたい。それくらい、この様子見の2か月は悔いが残っている。

いちばん伝えたい注意点

坐骨神経痛やヘルニアは、「軽いうちの様子見」がいちばん危ないとわたしは思っている。痛みが軽いと「まだ大丈夫」と思ってしまうが、その油断している期間こそ、早く手を打てば楽になれたかもしれない大切な時間だ。数日たっても改善しないなら、様子見せず整形外科で診てもらってほしい。

今のわたしなら、こんなサインが出た時点で「様子見はもう終わり」と決める。当時の自分に渡してあげたいチェックリストのつもりで、書いておく。

  • ハムストリングやお尻の張り・痛みが、数日たっても引かない
  • ストレッチや体操をしても、良くならない・むしろ悪くなる
  • 椅子から立つときなど、特定の動きで痛みが出るようになった
  • 「病院はお金がかかるから」と、受診しない理由を探している自分がいる

最後のひとつは、症状ではなく気持ちの問題だ。でも当時のわたしを止めていたのは、まさにこの「お金がもったいない」という気持ちだった。だからあえて、チェック項目に入れておきたい。

初期にブロック注射を打っていたら、違ったのか

今でも、ときどき考えることがある。もっと早く病院に行って、初期のうちにブロック注射を打っていたら、ここまで酷くならなかったんじゃないかと。

ヘルニアのような症状は、整形外科に行ってすぐに対処して、初期の段階でブロック注射を打てば、痛みの連鎖を断ち切れることがあるという。もしあのとき打っていれば、痛みがどんどん強くなっていく悪循環を、途中で止められたのかもしれない。

痛みというのは、我慢して放っておくと、身体がその痛みを「覚えて」しまう部分があるらしい。だから初期にできるだけ痛みを抑えておくことには意味があるのだ、という話を、あとから知った。だとすれば、わたしが2か月ものあいだ痛みを放置してしまったことは、いちばんやってはいけない対応だったのかもしれない。

参考

椎間板ヘルニアなどを放置すると、神経の損傷が進んで回復に時間がかかる場合があり、早期の対応が大切だと医療機関も注意を呼びかけている。参考:整形外科クリニック各院の解説記事より

ただ——これは正直、今もわからない。初期の段階で整形外科に行ってブロック注射を打っていたとして、本当に良くなっていたのか。それは誰にも言い切れない話だ。

というのも、わたしが実際にブロック注射を打ったのは、症状が出てから半年ほど経ってからだった。そのとき効いたのは、せいぜい2日間くらい。正直に言えば、その場しのぎという感じだった。だから「初期に打っていれば」という後悔も、あくまで「たられば」でしかない。それでも、試さなかったこと自体が、心のどこかに引っかかり続けている。

半年も痛みを育ててしまった状態で打つ注射と、まだ痛みが軽いうちに打つ注射とでは、効き方が違ったんじゃないか。そんなふうに、答えの出ない問いを何度も頭のなかで転がしてしまう。「わからない」からこそ、試さなかった後悔は消えてくれないのだ。

もしあのときの自分に、順番を教えてあげられるとしたら、こんな流れだったと思う。

まず、様子見をやめて整形外科に行く

「軽いから」を理由にしない。数日で引かない張りや痛みなら、それだけで受診する理由になる。

原因をきちんと調べてもらう

自分の思い込み(筋肉が硬いだけ)ではなく、ヘルニアなのか何なのか、原因を医師に特定してもらう。

原因に合った対処を、早い段階で始める

注射がいいのか、安静がいいのか、動かし方はどうか。素人判断ではなく、専門家の指示に沿って動く。

当たり前のことばかりだ。でも当時のわたしは、この当たり前の順番を、まるごとすっ飛ばしてしまった。

自己流のストレッチで、さらに悪化させた

そしてもうひとつ、はっきりと後悔しているのが、自己流のストレッチで、かえって痛みを悪くしてしまったことだ。

ハムストリングが硬いと思い、ギューギュー伸ばした

発症したばかりの頃、わたしは自分がヘルニア(いわゆる坐骨神経痛)だと、まったく気づいていなかった。ハムストリングがピーンと張っていたので、「ただ筋肉が硬くなっているだけだ」と思い込み、よけいにギューギューと伸ばした。

でも、このストレッチがよくなかった。いくら伸ばしても張りは取れず、それどころか日に日に痛みが増していったのだ。特につらかったのが、椅子から立ち上がるとき。腰を上げた瞬間に、お尻から足にかけて痛みが走るようになった。

それでもわたしは、「伸ばし方が足りないんだ」「もっとほぐせば楽になるはずだ」と、逆にストレッチを強めていった。良かれと思ってやっていることが、実は自分の首を絞めている——そのことに、当時はまったく気づけなかった。硬いから伸ばす、伸ばしても取れないからもっと伸ばす。この悪循環に、わたしはすっかりはまり込んでいた。

仰向けでハムストリングを無理に伸ばす自己流ストレッチで坐骨神経痛が悪化する様子を表したイラスト

YouTubeやネットの体操を、痛いのに続けた

痛みがどんどん気になって、わたしはYouTubeやネット、書籍でひたすら調べた。「坐骨神経痛 ストレッチ」「お尻の痛み 体操」——思いつく限りの言葉で検索した。

そしてこの頃は、ジムに行くたびに、動画で見つけた体操をせっせとやっていた。良くなりたい一心だった。けれど結果は逆で、痛みは軽くなるどころか、ますます強くなっていった。

今ならわかる。わたしが張っていると思っていたハムストリングは、筋肉が硬かったのではなく、坐骨神経がその奥で悲鳴をあげていたのだ。原因が神経なのに、筋肉を伸ばすつもりでグイグイ引っぱっていたのだから、良くなるはずがない。むしろ神経を余計に刺激していたのだと思う。

あのとき、やってよかったことと、やらなければよかったことを、正直に並べるとこうなる。

あとから思えば、正しかったこと

  • 最終的に整形外科でMRIを撮り、原因をはっきりさせたこと
  • 痛みが強い動きは無理にやらなくなったこと

やらなければよかったこと

  • 原因もわからないまま、自己流で強く伸ばし続けたこと
  • 痛いのに「治すため」と信じて体操を続けたこと

お尻や足が痛い人へ、正直な忠告

これを読んでいる、お尻や足が痛い人に伝えたい。まず、自己流の体操やストレッチはやらないほうがいい。わたしの実感では、原因がわからないまま自分の判断で伸ばすと、ますます悪化すると思う。何が原因かは人によって違うので、まずは整形外科で診てもらって、原因に合ったケアを教わってほしい。

「良くなりたい」という気持ちが強かったからこそ、わたしは動画のとおりに一生懸命ストレッチをした。でも、努力の方向が間違っていたら、頑張るほど遠ざかってしまうこともある。坐骨神経痛については、それが特に当てはまると、今のわたしは思っている。

よくある疑問に、わたしの経験から答えると

Q症状が軽ければ、しばらく様子を見てもいい?

A

わたしはそれで2か月放置して後悔しました。数日で治まる張りなら別ですが、なかなか引かない・少しずつ痛みが変わってくると感じたら、軽いうちこそ早めに整形外科へ。最終的な判断は必ず医師に相談してください。

Q自己流のストレッチはダメですか?

A

原因がわからないまま強く伸ばすのは、わたしの経験ではおすすめしません。実際に日に日に悪化しました。伸ばして痛みが強くなるものは、いったんやめたほうがいいと感じています。

Qブロック注射は効きますか?

A

わたしが半年後に打ったときは、効果は2日ほどのその場しのぎでした。ただ効き方は人や時期で違うようなので、これも整形外科で相談してみてください。

同じ痛みで迷っている人へ

最後に、わたしが今も後悔している2つのことを、もう一度書いておく。

  • 症状が軽かったのを理由に、すぐ整形外科に行かず2か月も様子見してしまったこと
  • ヘルニアだと気づかず、自己流のストレッチでかえって痛みを悪化させたこと

もし今、あなたのお尻や足に張りや痛みがあって、「まだ軽いから」と様子を見ているなら——わたしと同じ後悔をしないでほしい。軽いうちに一度きちんと診てもらうこと。それだけで、その後の何か月かが変わるかもしれない。わたしはそれをしなかったことを、今も悔やんでいる。

坐骨神経痛の記録を、はじめから読む

わたしの坐骨神経痛がどう始まったのか、発症のときの記録もあわせてどうぞ。

発症編を読む